
犬と猫の学校amie 責任者
和田 美帆
千葉どうぶつ総合病院 副院長
同病院 動物行動診療科 医長
JAHA認定こいぬこねこ教育アドバイザー
日本獣医動物行動学会 獣医行動診療科認定医
日本獣医動物行動学会理事
飼主様とわんちゃんのための住みやすい社会のために
近年、ペット人口はどんどん増加しています。それに伴い、ペットが関係したトラブルも増えてきています。中には動物が苦手な方もいることでしょう。
犬が吠えたり怯えたりすることなく飼主さんの指示を自らすすんで守り、楽しみながら笑顔で散歩している姿は、動物が苦手な方から見ても微笑ましい光景だと思います。
そして、そのような犬と飼主さんが増えれば、犬連れOKの施設はどんどん増えていき、わんちゃんと飼主さんにとってますます住みやすい社会が実現するでしょう。
そんな社会の一員となるべく家庭犬にとって最も必要なしつけとは何でしょうか。
それは何よりも人好きになることです。
日本では昔から罰によって犬を服従させるといった訓練が行われてきました。しかし、その方法は根本的な原因を解決するものではなく、さらに深刻な別の問題を生み出します。
犬には本能的に食べること・遊ぶこと・家族のぬくもり・危険回避の行動欲求があり、必ず満たそうとします。罰ばかり与える人間には必ず警戒心を抱くようになります。
飼主さんからの簡単な指示を守ることで、その欲求を満足する機会が安定して与えられ、さらに正しく振舞えた時に分かりやすく褒められれば、犬は飼主さんの指示を自ら待ち、喜んで飼主さんの望む行動をしようとするでしょう。これが、褒めてしつけるトレーニングです。
褒めてしつけるトレーニングは、最新の犬の学習理論・犬の行動心理に基づいており、何よりも犬を飼主さん好きにし、飼主さんと愛犬の絆をけがすことなくより深めていく方法です。
しつけトレーニングが終わった後も愛犬と生活を共にしていくのは飼主さんです。
だからこそ、飼主さん自身が学び楽しむことが大切です。そのお手伝いを犬と猫の学校amieはしていきます。人と犬が幸せな生活を送ってほしい、それが私たちの願いです。
猫ちゃんと人・同居動物が仲良く暮らすために
現在、猫の飼育頭数は犬を上回るほどと言われています。日本は交通量が多く、また猫エイズや猫白血病など伝染病の感染リスクがあるため、半野良状態での飼育だと長生きすることは難しいです。
そのため、猫においては完全室内飼育が推奨されています。
元来、猫は単独ハンターで生活物資が豊富にある時のみ仲良しグループを作るとされています。室内という限られた飼育環境でも、満足するトイレや爪とぎ環境、食事場・水場・休息場所を提供し、猫が人・同居猫・同居動物と仲良く暮らすためには、我々はどのような工夫をしてあげられるのでしょうか?さらに「猫らしい行動が取れるように…」とは、やはり猫もハンターであるため犬同様狩りの行動を満喫させられる遊び環境が重要です。
とはいえ、年齢・性格により遊び方は様々です。
そこで、排泄の失敗、攻撃行動、恐怖症、過剰グルーミングなど猫ちゃんに生じ得る問題行動を予防しよう、早期解決を図ろうという観点からプログラミングした猫クラスを作りました。猫は環境の変化が苦手なため参加しやすいよう、成猫のクラスはzoom を使用したオンラインでのクラス運営とさせていただきました。
ぜひ、心の予防接種として子猫クラス・成猫クラスにご参加ください。皆様と猫ちゃんとの明日からの暮らしがよりハッピーなものになること間違いなし!
スタッフ一同、皆様と猫ちゃんにお会いできることを楽しみにしております。
医長 和田 美帆